雪国の食文化

食文化

3~4mの積雪となる津南町では自給自足で生活を営んでいましたが、冬に収穫できるものは何もありません。このため晩秋になると屋外に「わらつぐら」を作り大根・人参・玉菜(キャベツ)などの生野菜を貯蔵し雪をかぶった「わらつぐら」からだして食べていました。それはそれはおいしい野菜達でした。
肉や魚は袋に入れ雪の中に埋めました。寒さと湿度で成分変化が起きているとは知りませんでした。
いつでもどこででも好きなものを食べられる時代ですが、近年この雪国の食文化が見直されつつあります。

雪室へのチャレンジ

雪室内の環境

自然の恵みの雪を活用した食文化を、もっと多くの人に知ってもらいたい。地域農産物に雪室機能を利用し「旨み」等の付加価値をつけたい。との思いから平成19年約100トンの農産物を貯蔵できる雪室を建設しました。
(有)大地の雪室は建物の半分が雪庫、半分が貯蔵庫になっています。雪の冷気と野菜熱が循環する自然対流方式を取り入れています。このことによって貯蔵庫の温度は1℃~5℃、湿度は90~95%と安定し、農産物の貯蔵に最適な環境をつくり上げています。
平成27年には2棟目を建設、1号棟と合わせて年間500トンの農産物を貯蔵できる見込みとなりました。また自然対流で電気を使わず、年間約21,500kgのCO2削減にもなっています。

雪室野菜の成分変化 探求

成分変化の研究

新潟県内外の研究機関と連携し、雪室野菜がなぜおいしくなるのか、
何成分がどう変化して「旨み」を呈するのか
徐々に解明されつつありますがあくなき研究はつづいています。

(参考)
人参…ビタミンCなどの栄養価はそのままで、うま味成分(遊離アミノ酸など)が増加
馬鈴薯…スクロース、グルコース、フルクトースなど、馬鈴薯の糖含量の大幅な上方変化

津南町流 雪室の作り方

  1. 3月中旬の積雪 3月某日、雪室貯蔵庫への雪入れ作業が行われます。雪室に入れる雪はふわふわの新雪は不向きです。 3月過ぎたころのシャリシャリと締まった雪が向いています。
    ちなみに、3月中旬現在でも、この雪の量。
    倉庫の屋根まで届くほどです。
    普段はうんざりする大雪ですが、この春から1年雪室の中で大活躍してくれます。

  2. …で、雪入れの作業ですが、ここからは重機の出番!

    雪室づくり
  3. 豪雪地ならではの作業です。大型重機が雪を集め、飛ばし入れてくれます。

    雪室づくり
  4. 飛ばして入れる・・・

    雪室づくり
  5. ・・・これを繰り返していきます。

    ちなみに倉庫の中では従業員はタイミングを見て雪を踏んだり叩いたり。
    隙間を埋めたりギューギュー踏み固めたりしていきます。

    雪室づくり
  6. こんな作業をすること数時間… 雪入れ完了。最後は投雪機で。
    この雪のみで1年間。もちろん途中で雪を追加して入れることはできません。

    雪室づくり
  7. 雪室づくり 雪室貯蔵室。
    夏場は予冷庫になったり秋~冬は雪室貯蔵野菜の貯蔵庫になったり1年を通して大活躍。
    室内は年間通して5℃以下、湿度もおよそ95%~98%に保たれます。
    ちなみに雪室でのCo2削減率は年間10,782kg!
    地球環境にも優しいエコな保存方法です。

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外観
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